増井真也日記

略歴
免許登録番号 1級建築士 建設大臣登録 第290771号
1997年早稲田大学理工学建築学科卒業
2001年戸田建設株式会社退社
2001年ますいいリビングカンパニー主宰

「日本の住宅はどうしてこんなに同じものばかりなのだろう。」というのが私が設計を行うようになったきっかけでした。住宅はそれぞれの家族が自分たちのこだわりに合わせて自由に作り上げていくものだと思います。他の工業製品と違い工場での生産が出来ないということからも、本来は個別のデザインが許されて良いはずなのです。
しかし、現実には建築条件のない土地の取得の困難さという問題や、かつてのずさんな工事による工務店の衰退にともなう工業化住宅の発展によって画一的な住宅ばかりが作られるようになりました。
このような中で、今一度住宅の設計を一つ一つ丁寧に行い、そして工務店として作り上げる。その活動こそが個性あふれる豊かな住宅の生産につながると思っています。そして、そのこだわりを実現させるデザインが豊かな街を作り上げていくでしょう。
私は川口の町で生まれ、川口の町で育ちました。住宅を作るという活動を中心としてさまざまなデザインを街の中にちりばめ、この街をもっと魅力的に変化させ、魅力ある街づくりに貢献したいと考えています。

2009年

10月

2009/10/28

セルフビルドの工事について考えてみた。セルフビルドと一言で言ってもその内容にはさまざまなものがある。元来家作りなどというものはそれほどの特殊技能を持って行うものではなく、昔は大工の棟梁と近所の職人さんたちが力を合わせて行うものであった。そしてその中に施主が入ることも決して珍しいことではなかったのだ。現に今でも屋久島では、普段は建築工事の職人ではないような人が、日雇い的に工事に参加していたし、ゼネコンなどの大きな現場では簡単な工事は日雇い的な労働者の手にゆだねられていることがある。どこまでの技術力を身につけるとプロになり、どこまでが素人かの線引きは実は非常にあいまいで、現場には素人でもできることがたくさんあるのだ。

私の知人に低消費社会への移行を目指して活動をしようとしている人がいる。価値のあるものに対し、それに見合った対価を支払い、大切に長く使うことで環境にもやさしいというわけである。住宅の世界においてはすでにこの考え方が取り入れられている。100年間使用することができる住宅を作る、これは技術的には難しいことではないし、世代や家族構成の変化に対応しうるフレキシブルなプランを取り入れるなどの方法で、リフォームを行いながら長く使うという文化になっていくことだろう。現に、石造文化のヨーロッパの都市部の建築においては、改修工事こそが建築家の仕事であるし、そもそも新築住宅を作るなどということのほうが珍しいことになっている。

改修工事というフィールドでは、まさにセルフビルドが力を発揮する。ちいさなことでいちいち職人さんを手配していたのではお金がかかってしょうがないし、そもそも何にもわからないのではリフォーム業者の言いなりになってしまう。まずは自分の頭で考えて、何をどうすれば自分の使いたいような状況を作り出すことができるのか、の検討を行うことができるくらいの知識は身につけているほうが良いに決まっているのである。そして時間と懐具合と相談して、自分で入れるなと思ったことのみセルフビルドで行い、後は職人さんを手配する、できれば材料なんかも自分で購入する、それくらいたくましく建築の現場をコントロールすることができるようになれば、それこそ私達と変わらないのだ。

その現場でのコストダウンにはもちろん効果を発揮するセルフビルドであるが、その後の何十年もの住宅の維持管理にも大きな力を発揮する、そんな意味もあるのだろう。

2009/10/26

午前中は事務所にて雑務。途中事務所を抜けてあいさつ廻り。

午後、調布にて集合住宅併用住宅の打ち合わせを行った。今回は外観のデザインを含めほぼ最終的なところまで決めることができた打ち合わせとなる。若干の調整の要望があったものの、大方の方向性は決めることができた。下の写真は模型写真。コンクリートの少少荒い仕上げに対して白い塗装を施す予定である。外部の手摺や窓の上のひさしなど細部にわたる造作をコンクリートで工夫して表現し、リズムあるボリュームにしたいと考えている。

2009/10/24

今日は朝から一日中事務所にいることができた。午前中はさいたま市緑区の家工事計画打ち合わせ。来週末にはいよいよ上棟となる。基礎工事はすでに終了しているので、後は墨だし作業や土台敷き、そして足場を組んで上棟だ。一昔前の現場では足場などなしで上棟作業をしていた。個人住宅を作る個人の工務店ならではのアクロバティックな作業だったのだが、職人さんの高齢化に伴い事故が多発したということで、今ではほとんどの現場で足場を組んだ後に上棟作業を行っている。天候も月曜日以外はそれほど崩れなそうなのでおそらく無事上棟できるだろう。

さいたま市本郷町の家では外壁のモルタル作業が終了している。左官仕事の良いところはやはり目地のない大きな壁を作ることができることだろう。写真は屋根の下の部分の壁の二人の左官屋さんが塗っている様子である。このような高所での作業は素人にはとてもできない。こういうところはプロに任せたほうが絶対に良い。一度外壁貼りの作業を手伝ったことがあるが、はじめのうちは足がすくんでまったく動けなかった経験がある。しばらくまごまごしているうちに少しずつ動けるようになるのだが、やはりどう考えても危ない。なんといっても落ちたら7m下までまっさかさまである。セルフビルドは安全に楽しく、これが鉄則である。

2009/10/22

午前中、川口駅周辺で家を建てたいというOさん打ち合わせ。ある総予算の設定がされている中で土地の価格と建築費のコストバランスについてのご質問があったので、一般的なお話として通用することのみをここに記したい。

日本の都市部における土地価格は非常に高い。私の事務所がある川口市でも、駅周辺は坪当たり120万円程度はするだろう。30坪の土地を購入した場合、3600万円。これは一般的なクライアントにとってかなり高すぎる出費となるであろう。もちろん駅から離れれば坪あたり80万円程度でも手に入れることはできるし、もっと離れれば60万円程度の地域もある。このような中で土地探しを行うとき、少しでも予算を抑えようと思うとまずは益からの距離というのが要件になるだろう。そしてその距離が大まかにでも決まったとなると、次は土地の形状などの要件が出てくるわけだ

私の個人的な意見としては、駅を毎日利用する方の場合に限っては、駅からの距離はあまり妥協するべきではないと思う。私も中学生から大学生まで電車通学をしたのだが、駅まで徒歩35分はかなりきつかった思い出がある。もちろんバスも使ったが、何時に来るのか判らないバスという乗り物はなかなかストレスがたまるものだ。

しかし妥協しても良い条件もある。私は南向きの土地にはあまりこだわる必要はないと考えている。もちろん、南向きの景色の良い土地があればそれに越したことはないし、そこから海でも見えようものなら最高だ。しかし、都心の住宅街でそのような絶景の敷地はなかなかあるわけもなく、住宅を明るく設計するだけであれば何も南道路でなくとも、設計者がそれなりの工夫を施せばよいのであるから、坪単価の安い北側の土地のほうがむしろお買い得なような気がする。

それと同時に地型もそれほどこだわる必要はないだろう。一般に長方形などの整形地は三角形や旗ざお、台形の土地よりも高く設定されている。しかしこの条件こそ建築家の工夫によってはむしろ普通の土地よりも魅力のある建築につながると考えられるわけでみすみす高いお金を土地に払って可能性をつぶすことはない。

それでは広さはどうだろうか。普通の家族で車が1台、というのであれば22坪というのがひとつの基準になるだろう。22坪あれば、駐車場のあるプランを作ることが容易にできるし、30坪よりも8坪安いので坪100万円の土地であれば800万円も予算を落とすことが可能だ。潤沢な予算があるのでなければ、余分な土地代につぎ込むのは得策ではない。

私は元来、家はほどほどでよいと思っている。家族が安心して暮らすことができれば必要以上に大きくなくて良いし、必要以上に豪華でなくても良い。程よい広さに、程よい便利な場所、そこに自分たちのライフスタイルに対するこだわりを形にした住宅ができればそれが一番良いと思うのである。土地選びも、そういう視点で考えると決まりやすと思う。そして何よりも直感、出会ったときの第1印象がやっぱり一番大切だ。

2009/10/20

ローコスト住宅スタディー。

今回の川島町の家作りではどのようなコストダウンの手法があるだろうか。

・プランによるコストダウン

住宅の値段は外壁や構造材の部材の総量及び職人さんの手間賃の合計で作られるが、その総量はプランによって大きく変わることとなる。同じ床面積の場合でも、1階と2階の面積が同じいわゆる総2階の建物と、1階のほうが大きいタイプの住宅では屋根の面積や基礎の面積が大きく代わることとなる。そのほかにも中庭があるタイプや、二つの箱が組み合わせられているようなタイプ、2階のほうが1階よりも大きいタイプなどさまざまであるが、変わったことを考えれば考えるほど建築コストは上がる傾向にあることは確かであろう。

今回の住宅では、いわゆる総2階の建築を目指すこととしている。1200万円というコストの中で計画を進めるにあたって構造や仕上げの総量を最も抑えることができるプランにしておくことは必須のように思えるからである。

・基礎の形状によるコストダウン

通常の基礎では地面のレベルより50ミリ程度上がったところで耐圧版をつくりその上に30〜40センチメートルほどの立ち上がりを造るのが基本である。今回の計画では、店舗部分が土間仕上げとなり床下空間がないことからこの立ち上がりをなくすことを考えている。つまり地面よりも30センチメートルほど高いレベルで耐圧版を作り。その上に直接土台を敷き並べるわけである。こうすることで、コンクリートの総量を節約できるばかりか型枠工事費や従来2回呼ばなければならないポンプ車の費用も1階に抑えることができ大幅なコストダウンを図れるであろう。

現在構造形式をいかにシンプルに美しく作るかのスタディーを進めている。そしてこの構造を内部に露出することも大きなコストダウンにつながる予定だ。屋根の作り方、2階床の作り方などについても考えがまとめられたところで御説明したい。

2009/10/19

月曜日、いつもどおり朝礼。

午後より、川島町の家の打ち合わせ。Hさんご夫妻に事務所までお越しいただき、プランの打ち合わせを行った。今回提出したプランは二つ。ひとつは店舗と住居部分が完全にセパレートされているタイプで、もうひとつが住居部分と店舗部分の間にどちらでも使えるような場所が設定されているプランである。

どちらでも使えるというのはここではちょっと重要になる。例えば店舗部分に完全に組み込まれてしまうと、床面積から算定される浄化槽の容量が25人層という大変大きなものになってしまう。二人暮らしで小さなカフェを営業しようとする場合、この計算方法は必ずしも適切ではない。まあ法律で決まっているのだから仕方がないのではあるが、住居とも店舗ともいえるような部分を造ることで18人層まで落とすことができるとしたら、これはそのように対応したほうが良い。

また、今回のプロジェクトでは建築の作り方も大変重要な要素となってくる。1200万円というびっくりな予算で完成させるのであるから、いつもと同じようなことをしていたのでは収まるはずはない。プランが決まったところでいよいよ造り方の検討に入る。大まかなイメージはできているのだが、詳細をつめていく段階が楽しみだ。

先日、ますいいリビングカンパニーの屋根にソーラーパネルが設置された。こちらがその様子。出力は約3.8KWである。実際の発電量は3KW程度であろう。たいした電力ではないが、エアコン2台分くらいの運転はできるのであろう。パソコンについては1台当たり150W程度だから20台くらいは動かすことができるということになる。現在のところ東京電力の検査待ちという状況であるので、いまだ稼動はしていないが動き出してからが楽しみである。

2009/10/16〜18

この3日間は所用で沖縄に訪れた。私にとっては初めての沖縄旅行だったが、短い時間の中でそれなりに楽しむことができたと思う。沖縄の町並みというのは木造住宅をほとんど見かけない。たまたま私の歩いたところだけがそうだったのかと思い町の人に聞いてみたのだが、実際にほとんどの建築がRC(コンクリート造)で作られているそうである。

太平洋戦争時に米軍によって占領され、1971年までアメリカの統治下に置かれていたという日本でもまれな地域であるので、このように建築にも大きな影響を与えているのだろう。台風の被害を防ぐためなどの付属的な目的も当然考えられるが、以前私が建築の設計をさせていただいた屋久島では同じように台風の被害が多い島だったにもかかわらず木造建築が住宅の主流であった。明らかにアメリカの文化の影響を強く受けていることが、日本の中の外国のような雰囲気を醸し出す建築郡を作らせていると思われる。

17日の早朝に1時間ほどホテルの周りを散歩したのだが、工事費が1億円はかかりそうな大きな住宅から2千万円くらいで作れそうな小規模の住宅まで、とにかくコンクリート製の住宅が立ち並ぶ姿は見ていて本当に飽きないものである。本土では当たり前に建ち並んでいるハウスメーカーの住宅や建売住宅などの類はほとんど見かけることはなかった。

北海道に行ったときも、そのほかの地域でもハウスメーカーの住宅をほとんど見かけないということはなかった。今の木造住宅には台風を防ぐことのできる性能は付加することができる。おそらく沖縄にも木造住宅の波が来ているだろうし、たまたま今回私が見かけなかっただけなのだろうと思うが、このような文化というものはぜひ守り通していただきたいと思う。

2009/10/15

午前中は、川口の家の打ち合わせ。おおよその設計が完了したのでいよいよ概算見積もりに取り掛かることに。初めてお会いしたときの御要望からはだいぶ膨らんだ設計となっているように思えるが、これは注文住宅の性である。予算をオーバーすること必至であろうから、後々のコストダウン案の作成に心してかからなければならない。クライアントの御要望を低価格で実現することこそ、個人の建築家のもっとも注力するべき点であると思うからである。

午後、八潮のリフォームの現場の耐震診断結果打ち合わせ。リフォームを行う前に念のため行った耐震診断において、0,68という低い数字が出てしまったことの報告を行ったのだが、非常に心苦しい打ち合わせになってしまった。御両親との同居に向けて、すでにある2階、3階部分を住み心地の良い住宅としてリフォームするというのが今回の計画である。しかし、そもそもの本体建築が耐震的に成立していないとなると、リフォームを行うこと自体が見直されることになるだろう。耐震改修工事を行うや否か、十分検討した上で今後の方針を相談したい。

2009/10/10

午前10時より茂呂山町の家打ち合わせ。数ヶ月ほど前に行われていた計画が一時中断していたのだが、このたび無事再スタートすることになった。住宅というのは人の人生にかかわることだから、こういうことはよくある。とにかくスタートすることができて何よりである。今回は、広い敷地に1階リビングプランと2階リビングプランの二つを提案した。今回の計画は母屋の立つ敷地に建てる子世帯のための離れであるので、母屋との連続性や、リビングとしての開放感などが選択の要素となるわけであるが、話し合いの結果1階リビングにすることにした。次回はこの方向での更なるスタディーの結果をお見せしたい。

夕方、中村、田山、鈴木と一緒に会食。

2009/10/9

心配していた台風も過ぎ去り、川口の町では何事もなかったかのように日々が動き出した。茨城など一部の地域ではひどい被害を受けたところがあるようだが、心よりお悔やみ申し上げたいと思う。こういうことはある日突然にして自分の身にも降りかかる可能性のあることで、しかもそれはおそらく自分の力ではどうすることもできないような状況で起こるのだと思う。交通事故や災害というようなものに巻き込まれてしまったときは、きっとその瞬間までそんなこと考えもしていない人たちが、時には取り返しの付かないような状況に巻き込まれてしまうのだろうし、今回の台風も心のどこかでみんなが自分だけは大丈夫というような思いの中で生活していて、気がついたときには巻き込まれていたというようなものなのだろう。

自然災害の様子などを見るときほど人間の無力さを感じさせられることはない。どれだけ警戒をしたところで、だめなときはだめなのかもしれないなどと考えてしまう。

先日サモアでの地震の記事を読んだ。一瞬にして子供6人を失ってしまった夫婦の写真が掲載されていたのだが、瞬時に襲ってきた津波など避けられるはずもないものであるから、これは運命として受け入れるしかないのかもしれない。ほぼ同日の記事だったと思うが、アフガニスタンでの戦闘によって、複数名のアメリカ兵が命を落としたというようなことも書いてあった。そしてこれも同日だったと思うが、北海道の公園で死体が発見されたとも書いてあった。

こういう情報が日々入ってくることがすでに当たり前に感じてしまうような世の中であるが、そのどれを取ってみても自分の周りの出来事であったら気が狂ってしまうような出来事ばかりである。まるで映画の中の出来事のように、事実が情報というただのデータのようなものに形を変えて私達の脳の中にインプットされる。そしてそれらは記憶されることもなく、数日のうちには消去されてしまうのだ。

世界が狭くなった感覚がある。それは情報の伝達スピードによるものだろう。少なくとも交通手段の進化は私の意識変化にはそれほど関係していない。私が生まれた時すでに飛行機もあったし、電車もあった。そしてそれは、今もそれほど進化していない。めまぐるしく伝えられるさまざまな情報をどのように処理してよいのやら、私にはわからない。こういう情報に疲れたとき、そんなとき私は本を読むことにしている。私はそれほど早く本を読むことができないので、1冊読むのに1週間はかかってしまう。すると1週間はその本の世界に浸ることができる。そのほかの情報から隔離されたかのような感覚を覚えるくらいそこには安らかなひと時が生まれるのだ。

家はそんなひと時を過ごすことのできる場であって欲しいと思う。今日打ち合わせをした伊奈の家の改修工事も、小さな工事ではあるけれど、やるからにはそういう空間を作り上げたい。クライントの記憶に残るような工事になればよいと思う。

2009/10/71

なんだか非常に勢力の強い台風が近づいているようだ。ニュースを読んでいると伊勢湾台風のコースに近いので警戒が必要であるなどの文言が飛び交っており、不安が募る。インドでの洪水被害やその前のサモアでの津波による被害など、世界各地でさまざまな災害が発生している中で日本だけが安全なはずはないし、埼玉だけが安全なはずはないのである。でもいまいち現実味が沸かないんだよな。とはいえさすがに今回はギャラリーの土嚢と、事務所のガラス壁のベニヤ養生をすることにした。

下の写真はベニヤに包まれた事務所の様子。これはこれでひとつの仕上げのようで中々良いのでは?の感もある。間柱を横使いで流し、その上に構造用合板を張っているわけだが、これに防水紙を張ってさらに外壁材を貼れば立派な外壁の出来上がりだ。通常の住宅であれば、この間柱の隙間に断熱材を入れ、内側にせっこうボードを張り、さらに漆喰を塗るなどの仕上げを施すことで外壁を構成する。つまり、この写真は普通の住宅の現場での施工途中の様子と良く似ている。

先日、大宮の家の現場を訪れたときの写真である。この現場ではこの状態からせっこうボードを張って内部の壁を仕上げるわけであるが、写真の状態でもなかなか良いと思える人もいるだろう。なぜそのように感じるかといえば、均等に割り付けられた柱やそのほかの部材が、斜めの筋交いなどの雑物に邪魔されることなく、丹精に見えるからである。そしてこの建物はそのような斜材を用いることなく構造的に成立しているのだ。ひとつ気がかりな断熱要素さえ外部側に成立させることができれば、この状態でのローコストな仕上げが可能となる。

上の写真も下の写真も、ベニヤや間柱という非常に安価な材料のみで構成されている。この状態を住宅としての完成形にすることはできないだろうか。1200万円プロジェクトの川島町の家ではこれに挑戦してみよう。

2009/10/6

朝一番より所沢のリフォーム工事の写真撮影。この現場は築20年強の和風注文住宅の水周りや階段など大々的にプランの変更を加えて、開放感のある吹き抜けを伴う洋風の仕上げにデザインした。吹き抜けと階段にはスチール製の手摺が取り付けられている。塗装はクライアント自ら鉄をハンマーでたたいて形を作り出したようなイメージの仕上げとなる塗料を海外より輸入して行ったのだが、非常に良い仕上がりで、逆にプロの職人さんでは出せないような風合いであった。

以前戸田建設時代に、ディズニーランドの内容工事をしている職人さんと話をしたことがあるが、その会社の職人さんはほとんど芸術系の大学などを出ているアーティストの卵たちであるというような話をしていたのを思い出した。○○風仕上げというようなイメージで伝えられる要素を現実の仕上げとして施すにはこのような感性をクライアントと共有できる職人が必要なのであり、こういう分野でますいいのスタッフを育ててみても面白いなというようなことを感じた。

上の写真のリビング風のところがもともとの浴室である。ということでもともとキッチンだったところに、下の写真の浴室が造りつけられることとなった。洗面室とガラスで隔てられるタイル仕上げの浴室は、庭に面して大きな窓を持つ開放感のある空間に仕上げられている。

キッチンはイケヤで購入している。何度かイケヤに出向いての打ち合わせを行ったのだが、きちんと情報処理をしてくれるクライアントだったので非常にうまくできたのではないだろうかと思う。逆にあいまいな指示だけでここまで完成度の高いキッチンが作れただろうかと考えるとちょっと疑問を感じるところもあるので、やはり自分の家は自分で造るという考えを持ち、それに向けてしっかりと設計作業に参加してきてくれる人のためにイケヤはあるのだなということを再確認した。

この住宅は60坪近い規模の住宅である。今回の予算では新築住宅は到底作ることはできない。新築とは比べ物にならない低コストと低い環境負荷で、耐震改修工事を行い構造の信頼性を高めるとともに、理想のイメージに完成させることができたという意味において、今回のプロジェクトは非常に意味のあるものではないだろうか。大変良い仕事ができたと思う。

 

2009/10/3

午前中は越谷の家の契約に社長以下参加している。土地探しから依頼していただけるクライアントは多いが、今回も何とかうまく進めることができてよかった。引き続き山崎、今岡によるプラン打ち合わせ。

午後より、幸手にて会合に参加。

夕方、東村山の家を作りたいというTさんとの打ち合わせの予定だったのだがキャンセル。

夜、川口地区稲門会の例会に参加。今回は三田会さんとの共同開催ということで非常に多くの参会者のもと盛大に会を行うことができた。いつもこのような会に参加して思うことだが、50歳以上の世代のこのような会におけるパワーというのはすごいものがある。われわれ30代はいつもおとなしく見えるな。

2009/10/1

午前中事務所にて雑務。昼過ぎに近くのホームセンターにて芝生のメンテナンスの道具を仕入れる。これまでは種をまいて、水をあげるだけの作業以外やったことがなかったのだが、芝生というのは目土を年に3回ほど撒いたり、月に1回ほど肥料を与えたり、15センチメートル間隔で土に穴を開けたりのメンテナンスが必要だということである。芝刈りをした後のかすはしっかりと取り除かなければいけないということであるので、そのための熊手も購入。早速、芝生の間に詰まっていた古い切りカスや、落ち葉などを拾い集め、肥料を施して、穴を開ける作業をしてみた。これで元気な芝生ができてくれればよいのであるが、しばらく継続すれば効果が現れるのだろうか。

昼過ぎ、池上が大宮区の家のメンテナンスに立ち会った。この住宅では完成直後に、隣地で建設中のツーバイフォーの外壁パネルが倒れかかってきて外壁を損傷されてしまった。当然直ちにその建設会社が補修のための費用を支払うことになるわけだが、なんと工事中の損害賠償責任保険に加入していなかったようで、安くするために自分の会社でやらせてくれの類の発言をしているらしい。気持ちはわかる。でもそれは難しいと思う。立場が変われば、私だって少しでもコストを抑えて補修工事を済ませたいと思うだろう。当社は保険に加入しているのでまだ良いが、保険に加入していないとなれば余計にその気持ちは強くなる。正直かわいそうだとは思うが、ある程度の危険を伴う作業を行う会社として保険に入るくらいのことはやっぱり最低限の条件だと思う。

夕方、愛車ジムニー復活。先先週池上と関越自動車道を走ってるときに時速100キロをこえたところでぽんという音がしてとまってしまったのだが、燃料を送り出すバルブを交換したら何とか走るようにはなったということであった。何はともあれ、まだエンジンを交換して数ヶ月しかたっていない。20万キロまでは乗るつもりでいるので、とにかく良かった。

村上春樹の「1Q84」を読んでいたら、ジョージオーウェルの記載があったので、1984年と動物農場を購入してみた。するとチェーホフのサハリン島やらヤナーチェックのシンフォニエッタなどなど、小説の中に出てくる書籍やらCDやらが掲載されてきたのでそれらも購入してみることにした。誰でも考えることは同じということがヨークわかった出来事だったが、ここまで影響力のある言論を生み出す能力には本当に感心するな。

 

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