増井真也日記

略歴
免許登録番号 1級建築士 建設大臣登録 第290771号
1997年早稲田大学理工学建築学科卒業
2001年戸田建設株式会社退社
2001年ますいいリビングカンパニー主宰

「日本の住宅はどうしてこんなに同じものばかりなのだろう。」というのが私が設計を行うようになったきっかけでした。住宅はそれぞれの家族が自分たちのこだわりに合わせて自由に作り上げていくものだと思います。他の工業製品と違い工場での生産が出来ないということからも、本来は個別のデザインが許されて良いはずなのです。
しかし、現実には建築条件のない土地の取得の困難さという問題や、かつてのずさんな工事による工務店の衰退にともなう工業化住宅の発展によって画一的な住宅ばかりが作られるようになりました。
このような中で、今一度住宅の設計を一つ一つ丁寧に行い、そして工務店として作り上げる。その活動こそが個性あふれる豊かな住宅の生産につながると思っています。そして、そのこだわりを実現させるデザインが豊かな街を作り上げていくでしょう。
私は川口の町で生まれ、川口の町で育ちました。住宅を作るという活動を中心としてさまざまなデザインを街の中にちりばめ、この街をもっと魅力的に変化させ、魅力ある街づくりに貢献したいと考えています。

2009年

1月

2009/1/31

午前中、Sさん打ち合わせ。土地の購入契約を済ませ、第1回目の打ち合わせの今日は住まいに対するご希望や日々の暮らし方などのお話を伺った。住宅に対する考え方というのは人それぞれだいぶ違うものである。しかし多くの方に共通している考えというのはやはりあるようだ。
「帰ってきてほっとして落ち着ける場であること。」
この考えは、ほぼすべての人に共通しているといってよい。雨、風という自然界の脅威から身を守ることが住宅の根源だとしたら、それは現代社会においても、変わらないということなのだろう。
日々、さまざまな物騒な事件が報道されている現代社会においては、防犯性、そしてもちろん雨風から身を守ってくれ、家族が安心して健康に暮らすことのできる場として住宅はあるべきなのだと思う。
そういう基本を守った上で、さらに住まい手によって変化する部分、たとえば車が好きな人がガレージ付の住宅にしてほしいとか、本が大好きな人が本棚がたくさんある住宅にしてほしいとか、そういうこだわりを実現する手法を付加価値としてつけていくことが重要なのだろう。

午後、知人に相談されているオフィスの物件検討。月々25万円くらいの家賃を賃貸オフィスに支払っているそうで、それならいっそうのこと中古のオフィスを土地から購入したほうが良いのではないかという計画である。がらんどうのオフィスや倉庫をワークスペース兼研究ラボのような形で使用したいということで、完成すれば非常に面白いオフィスの形になると思う。ワークスペースというのも固定概念があるようでない、比較的自由な変化を許容するものだろう。最近ではカフェのようなオフィスや、図書館のようなオフィスなどさまざまな形態が生まれているようだし、そういう形態をとることで自由なコミュニケーションから生まれる発想や企画というものが、新たなビジネスに発展していくということが重要視されているのだと思う。来週くらいまでには、何個か物件を拾い出してみよう。

2009/1/29

午前中、所沢の家、リフォーム工事の契約。2月初旬に近所の住宅に引っ越しいよいよ工事を開始することとなった。所沢の家の建つ住宅街は、一区画が100坪はあろうかという大きな宅地が立ち並んでいる。そこに建つ住宅は大体築20年くらいはたっているであろうというものが中心で、ひとつの通りに1件くらいの空き家があるようだ。諸般の事情により住まい手がいなくなった住宅があるのであろうが、きっと一区画が広いためになかなか転売ができないのだと思う。大変良好な住宅街だけに、うまく次の住まい手にバトンタッチして、町の命を絶やさないでほしいものである。

先日より読んでいる、山本兼一「利休にたずねよ」読了。青年期から切腹にいたるまでの利休のエピソードを時間をさかのぼる形で並べた本だが、美というものに絶対の信頼をおいている利休の一端を見ることができた。

2年ほど前に、山崎と一緒に京都を回ったことがある。その際に利休が建てたといわれている待庵という茶室を見学した。大山先の駅の近くにあるのであるが、今で言う首相官邸の休憩室といったところであろうか。秀吉が戦のできる冬を待つ、そのはやる気持ちを収めるための休憩室。文化や様式だけでなく心の機微の扱いにも非常に長けた当時の茶人の役割がまた面白い。

2009/1/28

午前中、西川口のマンション計画についての打ち合わせ。昼過ぎまで。

午後、川口駅前リリアにて所用。夕方、鉄骨についての打ち合わせ。ほか。

2009/1/26

先週末まで結局インフルエンザのために仕事を休んでしまった。山崎、藤井ともに今日から出社してきている。3人がまったく同じタイミングで休んだことになるのだが、きっとこの菌は私がうつしてしまったのだろう。その前日に私に娘が39度の熱を出し始めたことを思うと、どう考えても私が怪しい。学校などでもだいぶ集団感染が進んでいるようだ。当社のクライアントの中でも家族でかかったなどというお話も聴いている。皆さんも気をつけていただきたい。

今日は川口市内で建設中のガーデニングのためのセカンドハウスは上棟した。延べ床面積50u、つまり住宅ローンが使えるぎりぎりの広さで計画されたこの建物は、余暇を過ごすセカンドハウスとして建てられている。建設資金は500万円弱。大部分をセルフビルドで行っているのだが、構造などの主要な部分は大工さんに依頼している。施主はとにかくパワフルな女性だ。タイルも自分で貼りたい、塗装ももちろん自分で、という具合にどんどんセルフビルドに取り組んでいくようなかたで、まさに当社のクライアントの代表格。2月中には完成する予定だが、逐次報告したい。

2009/1/20

午前中、風邪でダウン。きょうは藤井も山崎も高熱で欠席している。巷ではインフルエンザが大流行しているというが、ますいいでもちょっとやばいことになっている。たかが風邪とはいえ、さすがに39度の高熱では仕事などできるはずもなく、今はこの流行を2人で食い止めることに専念しなければ。幸いにも私は熱は出ておらず、会社にもこれる状況なので何とかスタッフの作業の指示を出すことはできた。

11時イケアビジネスサポート打ち合わせ。イケアには建設業者専門のサポートサービスがあり、これに入会すると倉庫での商品探しや打ち合わせの時のサポートサービスがあるらしい。というのも、イケヤは通常キッチンの打ち合わせをするのにもお金がかかる。商品ははるか頭上高く詰まれた倉庫の中から自分で探し出してレジに運んで会計しなければならない。つまり、自分でやらなければいけないことがたくさんあるのである。これはまさに自分で自分の家を作る、という精神の持ち主には非常に良いシステム。そうでない方にはただ面倒くさいだけ。こういうことを理解したうえで利用すれば、非常にわかりやすいシステムなのである。

15時、大宮ソニックシティーにて打ち合わせ。

19時、風のため早めに帰宅。今日はゆっくりと休むことにしよう。

2009/1/17

10時、世田谷のリフォームのクライアント、Eさん打ち合わせ。CMディレクターのEさんは今回築30年ほどの中古住宅を購入して、リフォームをすることになった。古い住宅にしては、開放的なリビング、全体的なバランスが非常に整っている住宅で、痛みもそれほどひどくなさそうな住宅であった。大体の希望を聞き、来週の現場調査の約束をして、終了。

13時過ぎ、大宮で家を立てる予定のHさん打ち合わせ。土地を購入しいよいよ家作りについての計画を始める。角地の狭小地に木造3階建ての大きなテラスのある住宅を建設する予定である。こちらも土地の契約後では今回が初めての打ち合わせ。いよいよ基本設計スタートというところである。

夕方、大学の先輩のSONY生命の方より生命保険のプレゼンを受ける。そういえば、HさんもSONY生命のライフプランナーさんに作成してもらった資料を持っていた。住宅を建てるときには、住宅ローンや生命保険の見直しなど、家計の再計画が必要になることが多い。その際に、長期的な必要経費の試算などのプランを立ててもらえることは、結構助けになると思う。自分でやればできることなのだろうけれど、こういうことはなかなか自分でやる気にならないもの。そう考えると、クライアントにライフプランナーさんをご紹介することもひとつの親切かもしれないな。

2009/1/15

船橋駿河台の家現場管理。年が明けて足場が解体され、いよいよ完成に向けて動き出している。今日は外構の浄化槽の据付工事だ。最近の住宅ではめったに浄化槽を据え付けることはなくなっているのだが、一部の下水道が整備されていない土地では、いまだに浄化槽を利用することになる。したの写真は浄化槽を入れる穴を掘っている様子。意外とコンパクトなことに驚かれると思う。ここにすっぽりと収まるわけだが、完成後は地面に見える3つの丸い点検口以外はすべて土の中に隠れてしまう。

2009/1/14

午前中、事務所にて雑務。途中四谷にて所用を済ませ、13時過ぎ帰社。

15時より、O様打ち合わせ。9坪ハウスを作ってほしいという依頼が土地の契約を済ませていよいよ動き出すことになった。9坪ハウスというのは1952年に増沢洵氏が自邸として建設した3間×3間の最小限住宅に由来している。近年の土地の高騰の中で都市にすまうひとつの手段としてこの9坪ハウスというものが見直されている。正方形のプランには12尺×9尺の吹き抜けがあり、階高は最低限に抑えられている。水周りは非常にコンパクトに抑えられ、いかにもローコスト住宅の代表者のような作品だ。

この以下にもローコスト住宅の代表者のような作品を見ると、ひとつの大きな特徴として建築に使用する材料の種類の少なさに気がつく。ラワン合板、杉板、ふすまに張られている紙、家具や手すりを支える金物、あとは構造の一部になっている松材くらいのものだろう。とにかく種類が少ないのである。

最近の住宅ではなかなかここまで材種を少なくすることはできないだろう。断熱性、防火の問題、メンテナンス性、こういった問題を解決するためには適材適所、さまざまな材料を使用した方が住まい手にとって良い結果を生み出すことが容易に想像できる。だから普段設計している中では、タイルも使えばメラミンなどの新建材も利用する。しかし、9坪ハウスを造るに当たり、今一度材料の選定の思考を研ぎ澄ませ、この住宅の優れた気品高き庶民性を再現できるように務めてみたい。

2009/1/7

午前中、古民家の見学に行く予定がキャンセルされ事務所にて雑務。

午後、三郷にあるIKEAにてキッチン打ち合わせ。最近のますいいのクライアントにはイケアのキッチンなどを自分で購入してセルフビルドを行ったり、組み立てだけ依頼されたり、などのパターンが多く、今回の所沢の改修工事においてもイケアのキッチンを取り付けることになった。そこで、今回初めてイケアに出向いてキッチンのプランナーさんとの打ち合わせに同席することになったわけである。

たまたま、会社から車で30分ほどのところにイケアが新設されたということがきっかけだったのだが、実際に出向いてみるとその規模の大きさに驚かされた。リビングからキッチン、そして子供部屋の用品まで住宅になんするものはほぼすべてそろっているといえる。すべてのものがとてつもなく安いというわけではないようだが、日本のメーカーのように定価と実際の売値が倍以上も違うというようなブラックボックスがなく、訪れたクライアントには非常にわかりやすいシステムが取り入れられているといえる。

キッチンコーナーではイケアのキッチンを熟知したプランナーさんが一つ一つ丁寧に説明してくれて、実際に工事段階に入ったときの現場での調整に関する事に関しても豊富な経験の元に説明をしてくれるので、打ち合わせをする設計側としても安心して進められる感覚をいだけた。

今回のキッチンプランでは、イケアのキッチンに違うメーカーの食洗機と水洗金具をつけるというイレギュラーなものである。またレンジフードに関しても壁抜きのエルボをイケアでは販売していないということであるので、イケアのレンジフードの製造元である富士工業から直接購入することになった。そのような細やかな対応にも親切に応じてくれるスタイルは、なかなか日本のメーカーにはないものだと思う。あくまで、そちらの責任でやってくださいねというところはあるものの、うまく組み合わせれば理想的で使いやすいものになるでしょ、という柔軟な考え方が企業の体質にあるようだ。当社の製品以外のものを利用したら保証しませんとかたくなに突っぱねる日本企業の体質とは大きく異なる。これが北欧企業のおおらかさなのだろう。

ちなみにキッチンに関しては、キッチンを支える箱部分の構成、天板、扉、取っ手、ガスレンジ、レンジフード、などなどすべてをばらばらのところからクライアント自身が構成していくシステムになっている。配達も自分でどうぞ、組み立ても自分でどうぞ、できなければやってあげますよという仕組みはセルフビルド愛好者にはたまらない仕組みだ。面倒くさい人には向かないだろうが、ますいいのクライアントにはこれほど楽しいキッチン選びはないかもしれない。(日本製品を寄せ集めているようなところもあるので、結果的にTOTOと変わらないということもあるようだが・・・)

ではなぜ、IKEAなのか。

まずはやはりわかりやすい料金体制だろう。
それと、自分で好きなように構成できるという自由度も良いと思う。
それから、配達や組み立てなどの通常であれば外せない部分を自分で行うことで、コストダウンができるという点も魅力だ。
そして最後に、決して、良質の銘木が使われているとか一枚板が使用されているとかそういう価値はないようだが、デザインが良い。

キッチンだけでなく、イケアの収納システムやイケアの洗面化粧台など、家作りの中で効果的に取り入れられそうな部分はたくさんありそうだ。これからのますいいの家作りの中ではこれらを要望にあわせて積極的に取り入れていこうと思う。

今回の打ち合わせを経て、簡単なイケア製品を利用した家作りの流れを考えてみた。

@プランができてきたら、イケア製品を取り入れたい部位をクライアントから申し出てもらう。

Aまずはクライアントに一度イケアに行っていただき、希望の商品を選定。

Bキッチンなどに関してはプランナーの予約を取り、設計スタッフ動向のもとイケヤにて打ち合わせ。

Cイケアからの承認図面を受け取り確認。

Dイケアの製品の価格が決定した後、工事請負見積もりに反映させる。

E実際の工事の段階で、クライアントが自分でできない場合には当社のトラックで引き取りを行い、取り付け作業も当社の施行スタッフにて行う。(実費は見積もりに算入)

このような流れで行えば、これからの家作りの中においてもスムーズにイケヤ製品を取り入れられるだろう。今回はまだ4回目。きっとこれからどんどん増えると思うが、セルフビルドも含め良い点を上手に取り入れて行きたいと思う。


(三鷹の家のIKEAキッチン)

2009/1/5

今日から仕事始め。

皆様新年明けましておめでとうございます。

午前中は事務所で仕事始めの雑務。午後より自宅にてスタッフとの新年会。17時ごろ終了。

あすからいよいよ本格的にスタートします。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

masuii living company| よみがえる家masuii R.D.R gallery| コンセプト| プロジェクト| 作品集
増井真也日記設計室雑感| 仕事の進め方 | お問い合わせサイトマップ