2006年

 

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2006/9/28

11時、浜田山の家の打ち合わせの向けて中野区の弥生町のクライアントのご自宅まで足を運ぶ。
13時の予定だったのだが1時間ほど早くついてしまったので近所のジョナサンにて軽い食事。牛丼のランチを食すも、吉野家の牛丼よりはるかにまずいまるで紙のような牛肉には驚いた。やはりファミリーレストランで牛丼の選択はまずかったか。
13時、弥生町にあるクライアント自宅にて打ち合わせ開始。途中敷地を見学に行くと、敷地前面にあったがけ地ではすでに造成工事が始められていた。ボックスカルバートの駐車場を埋め込み、人工地盤を作って30度の斜面に住宅地を作ってしまうらしい。これまで割りと解放的だったこの敷地もこの人工的な宅地造成が終わりそこに家が建てられる頃にはかなり圧迫感を感じるようになるだろう。しかしそうなってこそ今のプランが生きてくるというものだ。はじめから予想していたことが早く起こってくれたことでますます今のプランの価値の確認が出来たような気がした。15時ごろ再びご自宅に戻った後は延々20時ごろまで打ち合わせ。普段忙しいご主人が久しぶりに参加できるとあってかなり長い打ち合わせとなった。しめて7時間30分。これは私の人生における新記録更新であった。

2006/9/27

中青木の診療所兼住宅の現場管理、基礎屋さんの家の現場管理などで午前中を過ごす。午後一番で昨年手術したひざの定期健診。3ヶ月に一度の検診ということで普段の生活の中では忘れてしまうことのほうが多いのだが検診のときだけは手術後のあの不自由な時期を思い出す。もう一度ボルトを抜く手術をしなければいけないのだが、今日もその日取りを決めることは出来なかった。次回がタイムリミットということなので来春にはまた入院させられることになりそう。
事務所に戻ると新建築8月号、及び住宅特集11月号が届いていた。この2冊の中には興味深い建物が掲載されていたので取り寄せたのであるがなかなかの内容だった。建築デザインを中心に作られるこの手の雑誌も経済原理の中での建築家の役割に目を向けているということだろうか。
夜、幸町の家の打ち合わせを山田とおこなった後作業終了。

 

2006/9/25

今日は一日中、幸町の家の最終図面作成に向けた作業を行った。17時クライアント来社。若干の変更の指摘を受ける。以降引き続き作業。

2006/9/23

土曜日というのはますいいの中で最も打ち合わせが多い日。今日も10時30分、14時、17時と3回の打ち合わせがあった。工務店を兼ね備えた設計事務所ということで、現場の稼動にあわせて日曜日をお休みとしている以上土曜日に集中するのは無理もない。
10時30分、国府田さんという方が始めて来社。今度川口市内に土地を買って家を立てるということで相談にこられた。基本的な家作りの流れなどを説明。
14時、赤塚の家の三浦さん来社。今回は4つのプランを同時にお見せした。20坪という小さな敷地に作る家ということではじめのプランによって生活のスタイルがかなり作られてしまうという印象を持つ。その中で、いかに自由度を残すか、つまり住みながらスタイルを作り上げることが出来るような家を提案することが課題となっていいる。スタッフ全員による打ち合わせを経て作り上げられた4つの案はどれも生活することが出来るという点では成立するだろう。その中からどのスタイルが一番クライアントの趣向に合うかということを探るための打ち合わせだったのだが今回は4つ目の案になりそうだ。とはいえまだら不プランの段階。これから作り上げていく中でさまざまな変化が期待できる。
17時、以前より付き合いのある画家の永瀬さん来社。永瀬さんはますいいRDRで2階の個展をお願いしている方なのでこれまでにも何度もお話をしたことがあるのであるが、やはり自分の家を作るという相談になるといつもの作家としてのテンションと少し違う。いわゆるアートと建築が違うというのは当たり前のことなのだが、作家の自宅というのもまた普段の表現とは直接には結びつくことのないものなのかもしれない。作家が住むからといってそこがアート作品のようなものである必要があるわけでもなく、そこで営まれる生活、そこで営まれる制作活動をスムーズに手助けすることが出来るような最低限の箱であれば良いのかもしれない。最低限の箱というと聞こえが悪いが、箱の家というテーマではすでに難波氏によるシリーズ化された名作がある。予想通り自分で設計したいというこのご夫妻に参考図書として難波和彦氏の「箱の家」の本をお貸しした。何らかの参考になることを望む。
20時、スタッフ全員を連れて川口駅前の「たなべ」にて夕食。
11時ごろ家に戻った。

2006/9/22

午前中は事務所にて雑務。午後、現場ミーティングなど。
今日は11月のカンボジア行きを決めた。以前から建設工事中だった石山修武氏設計による広島ハウスの完成セレモニーに参加するためである。ますいいからは3人が参加する。そして一人の知人も参加する。ますいいリビングカンパニーは石山修武氏の私に対する本社兼住宅の建設を通した指導によって作り上げられた。もっと言うならば私の建築に対する価値観自体が石山氏によって作り上げられたといっても過言ではない。私は設計の師匠を持たない。どこかのアトリエで修行をしたりなどのいわゆる師弟関係を築き上げるような時期を過ごしてはいない。しかし、自宅の建設という大きなプロジェクトの中で約2年にわたり石山氏と過ごした時間が今のますいいの礎となっている。現場での会話、事務所での打ち合わせなど一言一言が深く胸に刻み込まれている。その心の師匠が作り上げた広島ハウス、この建築を見るために今回はカンボジアに行く。

 

2006/9/21

今日は朝から現場周り。まず最初に中青木の診療所兼住宅に行き、大工の草間さん、電気屋さんの佐々木さん、板金屋の山川さんと打ち合わせを行った。外壁のサイディング貼り作業もいよいよ大詰めといったところで、今週中には貼り終わるだろう。内部も石膏ボードを貼り始めている状況なのでもうしばらくすると仕上げ工事の段階に突入する。今は大工さんが一番シビアな作業を求められる時期なので慎重な打ち合わせを行わなければいけない。次は基礎屋さんの家の現場へ。こちらの方はようやくサッシを取り付け終わり、雨の進入もなくなったところで今は天井の下地工事を行っている。さすがに基礎屋さんの家ということで現場の進行中の変更や追加事項が極端に多い。とは言えそれらの変更などにはクライアント自らが対応してくれているのでますいいのスタッフが振り回されるということはないので一安心。先ほど中青木の現場にいた電気屋さんや板金屋さんがみんなこちらの現場に移動していたので、先ほどとほとんどおんなじメンバーでの打ち合わせとなった。途中、RDRにて先日相談を受けた材木屋さんの家の打ち合わせ。夕方、山田とともに赤塚の家のプレゼン資料作成のための打ち合わせ。ほか雑務。

2006/9/19

朝10時ごろ中青木の診療所兼住宅の現場にて進行状況チェック。面落ち窓の周りの収まりなどを確認していくつかの修正を指示した。特に水の浸入の可能性がありそうな部分については念入りな施工方法を指示。デザイン性と性能の問題が対立することは現場ではよくあることなのだが、建築とは本来水と風をしのぐためのものである以上、雨漏りの可能性があるような収まりは極力排除しなければならない。一通りの支持を終えてRDRにて小ミーティング。各プロジェクトの進行状況や書類のやりとりなどを行って山崎、池上と一緒に近所の定食屋にて昼食。
14時ごろよりますいいの社長である母との打ち合わせ。17時ごろ終了。ほか雑務。

2006/9/18

敬老の日の今日は事務所前のいつもは車がたくさん通る道もどことなく静かだ。朝方は雨が降っていたがそれもじきにやんだ。10時ごろ以前建てた浦和の家のアフター点検。現場に着くと南さんご夫妻が玄関の外にいらした。ご挨拶をした後住まいの状況などをうかがう。すると、家の周りの土地が浦和の家の地面レベルより30センチくらい上がっているので雨が激しく降ると5センチくらいの水溜りになってしまうという。 しばらく対策などを考え11時ごろ事務所に戻った。
13時、大宮にあるへーベルハウスの事務所にて大宮の集合住宅の打ち合わせ。ハウスメーカーの家の作り方やメリットなどを伺う。その徹底的に追求された合理性は、頭では理解できる。非常に合理的。しかし何かつまらないと感じてしまう。どこまで変えられるのか、何がデザインできるのか、いろいろの質問をしながらあっという間に2時間が過ぎてしまった。打ち合わせ終了後、クライアントと契約などの打ち合わせをして17時事務所に戻った。
17時30分ごろ川口市民ギャラリーアトリアにて10月に開かれる日中の子供によるワークショップについての打ち合わせ。ほか雑務。

2006/9/16

10時、以前より新居のご相談をされていた小田さん来社。私の家のお墓のある千歳烏山のはずれに築4年の中古建物を購入されたようで、今回の計画はこの建物の住宅へのリノベーションとなりそうだ。もともとは倉庫と事務所に利用されていた建物ではあるのだが、まだ新しいことと、本来は住宅にするつもりだったような建物であることからそれほどの手をかけなくても住める状態までもっていけそうであった。ある程度の希望をまとめてご連絡いただけるとのお約束をして打ち合わせ終了。
14時、近所にある材木屋さんの社長邸訪問。以前自分で設計して建てた現在の住居を取り壊して新たに新居を構えたいとの相談を受ける。さすがに材木屋さんらしく「木を上手に使った設計をしてほしい」とおっしゃっていた。年齢にして64歳、ご夫婦と息子さんの3人が住む家ということになるのではあるが1階リビングには薪ストーブを作るなど、遊び心あふれる楽しい家になりそうだった。

2006/9/15

今日は朝から事務所にて雑務。17時、西葛西駅前某ビルにてリフォーム計画の打ち合わせ。初老の男性経営者に相談されたのは現在居住中のビルを賃貸用にリノベーションすることでの収入増加計画のようなものだった。あまり詳しく書くことは出来ないが、世間が景気向上ムードに浮かれている中でもまだまだバブルの後遺症に悩み続けている人はいることを実感した。建築の力で何とかできるものならしてあげたいという思いが沸き起こってきた。8時事務所に戻り、しばらく打ち合わせを行った後作業終了。

2006/9/14

今日は一日中事務所にて各プロジェクトについての打ち合わせなど。

2006/9/13

10時、リフォーム産業新聞取材。これからのリフォームに対する考え方など1時間程度のインタビューに答える。これまでもリフォームは年に一軒くらいのペースで手がけてきたのだがここ最近依頼がかなり多くなってきていると思っていたところへの取材だったので、偶然とは思えない時代の流れを感じる。というのも最近の環境問題を考えると今のペースでのスクラップ&ビルドの建築界のあり方に疑問を感じざる終えない状況になっているような気がするからだ。日本では人口も減少の方向へ向かっている。これまでひたすらに膨張する都市の一端を担ってきた建築家の仕事も、ここに来てはじめて縮小する都市というものを真剣に考えなくてはいけなくなったようだ。
と同時に今作られる建築の性能の高さという要素もある。昭和56年以降に作られた建築は新耐震基準に基づく。これまでの木造住宅などは30年程度の寿命しか期待されていなかったが、今作られている建築は50年程度は使用することが出来るだろう。場合によっては100年程度の使用にも耐えうるかもしれない。しかし人の生活スタイルというのは20年ごとには変わる。プランの変更、設備の更新などリフォームによってやらなければいけないことは確実に増えることが予想されるわけである。この件についてはもう少し考えていく必要があるだろう。
14蒔、浜田山の家の打ち合わせ。木造案での1/30模型を主体に建築の概要についての説明をする。大方了承を得られたようなので、いよいよ実施設計に移行する段階になりそうだ。

2006/9/12

朝から事務所にて各プロジェクトの打ち合わせ。先日土地を買いたいとの相談に来てくれた山本さんが今買おうとしている土地に着いての下調べ調査など。
今回は二つの土地が候補に上がっていた。ひとつは浅間台というところにある市街化調整区域の土地。市街化調整区域というのは本来農地などに利用されているところであり、基本的には家を立てることは出来ない。しかし昔家がたっていたなどの条件を満たせば建てられる場合があり、今回はそのパターンに当てはまる。役所などに電話をして調査してみたところこちらに関しては何の問題もなさそうであった。調整区域であるというだけで価格がほかの土地よりもかなり安いということを考えると住宅用地としてはかなりお買い得ということになるだろう。
もうひとつの土地は見事ながけ地。角度は40度くらいはあるだろうか。しかもその急斜面であるのに加えて接道巾がわずか2mしかない。その2mの登山道のような道を延々と登っていくと奥に開けた土地がある。条件としては面白い。50坪もあり価格はわずか600万円。浦和三園駅から徒歩10分でこの価格は奇跡的である。しかし工事をするのが難しい。基礎屋を連れて土地を見たのであるが見た瞬間に出来るわけがないといわれてしまった。
今回の場合はどうも工事が出来そうにないということであったのだが、このように土地には利用が困難で極端に価格の安いところというのが存在する。「巾が極端に狭くてすごく長い土地」、「ものすごく急な斜面」などなど価格の付かないようなものもあるのである。そのような中で解決策が実はあるものを、普通では思いつかないようなアイデアで形にすることができたら、価値のない土地に命を吹き込むことが出来るわけである。
11時、川口駅前江南春にて川口地区稲門会の役員会。13時まで。
15時より山本さんミーティング。16時ごろまで。
17時、先ほどの話と前後するが基礎屋さんと一緒に浦和三園駅の近くの土地を見に行った。18時ごろ帰社。
19時、RDRにて田村、山崎とともに浜田山の家のミーティング。明日の打ち合わせに向けた最終確認作業を行った。
20時、川口駅前書泉にて新建築購入。今月の新建築には私の事務所の近所の建築家「飯塚氏」の作品が載っている。作品は小学校。以前から知ってはいたのだが学校ということでいまだ中を見たことはなかったのだが、飯塚さんらしい変わらない作品を作り続けていると感じた。


がけ地の入り口

2006/9/11

午前中は幸町の家の打ち合わせ準備など。17時より幸町の家打ち合わせ。予算、そしてプランともに今回の打ち合わせをもって納得のいくものとすることができた。これで、いよいよ確認申請、工事契約へと移行する。着工はおそらく10月中ごろになるだろう。年内には外壁周りの工事までは終了しそうだ。早速明日より構造計算に入ろうと思う。

2006/9/9

朝10時より大宮にあるカタクラ住宅展示場へ。ここはさいたま新都心の中にあり回りには埼玉アリーナなどの大型建築が所狭しと立ち並んでいる。今回なぜこの展示場の来たかというとこの展示場のある大宮にへーベルハウスの集合住宅を建てたいという方よりその集合住宅の設計を依頼されたためである。このような依頼のパターンは今回が初めて。通常だと設計から施工までということで請け負うわけだが今回の場合は施工はハウスメーカーが行う。私のほうではそのハウスメーカーの規定にのっとった形での設計を行う。どこまでの自由度があるのか、保証体制はどのようにクリアするかなどの問題が山積しているわけで、一つ一つ紐解いていかなければ解決はしないだろう。いまだつかめない部分が多く残ってはいるのであるが、これからの進行を楽しみにしたい。

2006/9/7

今日は地元川口で材木屋さんと建材屋さんを営んでいる知人と話をした。この手の職業を営んでいる人と話をすることは良くあるのだが、本音の話しを聞けることはなかなかない。今日あったのは取引相手というわけではないので、どちらかというとその業界の本音の話を聞けたようなきがする。その中でも驚いたのがやはり設備などの割引率の話。その会社の器具の仕入れ値は大体ますいいでクライアントに提供できる値段よりも5%くらいは安いようであった。まあ、問屋さんが入るというのはこういうことなのだろうがそこを省けばもっとスムーズにコストダウンを図れるわけで、そういう物流は変えていかなければいけないだろう。そういえば先日新日軽の販売会社の営業の方が飛び込みで来社した。その際に見積もりを取ったところ、これまで頻繁に使用していたYKKやトステムよりも約1割の割引となっていた。この会社は新日軽しか扱えないようだが、その点はそれほど問題はないだろう。なんといっても「定価のあるもの。カタログのあるもの。」これらは安く仕入れるに限るのである。YKKやトステムが通常のサッシ屋さんを通さないと扱えないのに対して、新日軽はメーカー直接の販売会社を持っている。だから安い。今後しばらくは新日軽と付き合うことにしてみよう。

2006/9/6

今日は一日事務所にて浜田山の家、幸町の家、赤塚の家などのスタッフミーティング。赤塚の家はまだ始めたばかりなのだが、それ以外の家についてはいよいよ大詰めといったところ。夕方まで作業して、7時より川口駅前にて知人と会食。

2006/9/5

朝10時より山本さんご夫妻来社。土地を購入して家を建てる、の相談を受ける。12時ごろまで。
午後からは幸町の家の減額提案書作成など。
そういえば今日お会いした山本さんもセルフビルドに挑戦したいとのお話をしていた。セルフビルドには二つの意味がある。まずひとつにはコストダウンにつながるということ。そして二つ目は自分の家の一部分でも良いから自分で作ったのだという喜びを味わうことが出来ることである。この二つはちょうど夜ご飯を作ることに似ている。どんな食べ物にせよ、スーパーで買い物をして自分で作ったほうがレストランに行くよりも安いに決まっている。料理人の人件費やレストランの運営費を払う必要がないのだからそれは当然だ。
しかし食材の仕入れ値を比べたらおそらくレストランのほうが安いだろう。同じものを直接大量に購入しているのだからスーパーで買うよりも何割か安く仕入れているわけである。だからセルフビルドの勧める場合はますいいだからこそ安く仕入れることが出来る材料を使用することを勧めている。そうすれば普通よりも安く仕入れた材料で、職人さんの手間賃を省くことが出来るのである。
ここでひとつの例を挙げると、ますいいで頻繁に登場する石灰クリームのセルフビルドというのがある。

材料の説明
石灰岩を焼いたものが生石灰。これを水と反応させることで出来るクリーム状のものが生石灰クリームです。生石灰クリームは漆喰と同様、空気中の炭酸ガスと反応して炭酸カルシウムとなり硬化します。このクリームは、日本の伝統的な白い壁としてあげられる漆喰同様、環境に悪影響を及ぼすこともなく、有害化学物質を発生させることもありません。美観に富むとともに、保温性・調湿性・長期的な堅牢性といった長所を兼ね備えた材料です。(抜粋)

この材料をますいいではインターネット価格より安く仕入れることが出来るようになった。これは頻繁に利用してさらにTV取材の際などに積極的にアピールすることで、材料メーカーのほうから減額の提案をしてくれたという経緯の中で出来たことである。この材料を施工するには二つの工程がある。まず下地処理。石膏ボードという面材の継ぎ手にジョイントテープを貼り、パテをつめる。そしてなるべく平滑な大きな一枚の壁面を作る。このときにでこぼこにならないようにすることが重要なのだが、石灰クリームは塗り厚さが比較的厚いので、多少のでこぼこは吸収してくれる。
ちなみにペンキだとこうはいかない。ペンキの場合塗り厚さが極端に薄いので下地のでこぼこはもろに仕上げのでこぼことなる。だからパテ処理の作業は紙やすりかけをした後に再びパテを塗りこむという作業を何度も繰り返さなければならないことになる。ちなみにプロの塗装屋さんでもこの作業を3回は繰り返す。それほど大変な作業なので素人がやると・・・、非常に大変というかうまくは出来ない。
もちろんペンキ仕上げのほうが安くは出来るのだけれど、うまく出来ない上に自然素材でもなんでもないただの塗装を仕事の合間を盗んで一生懸命やることにそれほど意義を感じないので私は石灰クリームを勧めることにしている。
次の作業は仕上げである。これは普通ステンレス製の左官鏝を利用する。材料をのせるための板のことを手板というのであるが、この板から鏝に材料を少量ずつ移動させて壁に塗りつける。この移動させる作業を鏝返しという。これがなかなか難しい。でも1日やるとだんだん出来るようになる。壁に塗られた材料ははじめでこぼこだ。これを平滑に仕上げるのが金ごて押さえ。完全な平滑面はやはり職人でないと作れない。だからますいいでは平滑にすることを勧めない。わざとでこぼこの仕上げにする。すると、この作業は急に誰でも出来る作業になる。というより素人のほうが上手に出来る作業になる。職人にはない自由な発想が大変面白い仕上がり面を作り出すのだ。完全にオリジナルの塗り壁が出来たときにはなんとも言えぬ喜びを感じる。
もちろんセルフビルドだからといって放り出すことはしない。左官屋さんを一人先生としてきてもらうことで丁寧な指導が行われる。私も現場で指導をする。そして時には一緒に塗る。そういうときにはこれこそ一緒に家を作る喜びではないかと感じるものだ。
今作られている家は昔の家と比べて極端に丈夫だ。住む人の愛着があればかなり長く使うことが出来る。少なくとも今のように30年たったら家を壊す時代は終わるだろう。自分の家は自分で作る、このことを実践することで少しでも長く家を使い続けてもらいたい。

2006/9/4

朝10時、板橋区赤塚の家の敷地にて三浦さんご夫妻と待ち合わせ。こちらからは山崎、山田、そして私が参加して打ち合わせを行った。敷地にはまだ古い家が建っているので早速入ってみることに。2階に上るとこれからできる新築住宅の窓から見えるであろう景色が窓の向こうに見えているので、その景色を見るということは設計の参考になった。その後ご自宅にて少々打ち合わせをしたのであるが、この自宅なんとさんかくの家の目と鼻の先。それほど地元というわけでもないのに、これほど近いところで2件も家を立てることがあるのかとなんだか運命的なものを感じてしまった。このビルの1回にあるローソンの外人さんの店長とも再びお付き合いが始まりそうだ。
12時ごろ帰社。午後からは幸町の家の見積書説明打ち合わせの準備。17時より打ち合わせ。いまだ200万円くらいの予算オーバーなのでなかなか解決策が見えない。約1時間ほど話し合いの後、最終的な答えは次の打ち合わせまで持ち越すことになった。

2006/9/3

きょうは群馬県伊香保の地にある「ハラミュージアムアーク」に訪れた。ここは1988年に建築家「磯崎新」の手によって作られた美術館で伊香保グリーン牧場という施設の敷地の片隅にある。黒い板壁の三つのボリュームが中心のピラミッドから3方向に伸びていてそれぞれが展示室になっている。前面と裏側にある広場には現代アートの作品が野外展示されている。今日はちょうど原美術館コレクションを展示していた。草間彌生、横尾忠則、榎倉康二など著名な作家たちの作品が並ぶ中でたまたま目にした榎倉の「干渉」がほかの作品よりもより強く目の中に飛び込んできた。白い布に描かれた左側の黒い部分はアクリル絵の具で描かれていて、右側の黒い部分は本物の木材が取り付けられている。離れたところから見ている限りそのことには気がつかないのだが、だんだんと近づくにつれて右側の黒い部分の非常にリアルな表現に驚き、そして最後には本物の木材であることに気がつかされるのである。本物の木と偽者の木の間に広がるように見えるにじみのある空間も、チョット建築的な表現に思える作品だった。

 

 
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