| 2005/6/29
一時期暑い日が続いておりましたが再び梅雨が戻ってきたようで、今日は朝から雨が降っています。予定していた現場での板金屋さんとの打ち合わせは中止されました。13時、以前一緒に仕事をしたことのある、ガーデンデザイナーの塚田さん来社。ますいいの事務所前のガーデンデザインの打ち合わせを行いました。塚田さんはもともとIDEEという会社でデザインをしていたのですが今年に入って独立したそうで、今は温室というスペースを代官山で運営しています。ヒルサイドテラスの上にある温室をギャラリーにしたりライブをやったりしているそうなのですが建築自体は温室そのもの。今度機会を作って見に行ってみたいと思います。
「今、社民党の屋上で蜂蜜を作っている人がいるんです。緑もはちも身近になくなったらそういうものがよいと感じる心までなくなってしまう。森がなくなったら誰も森のことを思い出さなくなってしまうだろう。」
ということを塚田さんは言っていました。それは建築においても言えることだと思います。「懐かしさ」という言葉はどのように理解したらよいのでしょう。日本的なもの、という理解をすればそれは伝統や和風という言葉につながるでしょう。その人の心の中にあるもの、という理解をすれば生い立ちのなかでつちかわれた記憶や歴史につながると思います。時間や記憶、あいまいなものですがそういうものを表現していきたいと私は考えています。
2005/6/27
午前中は浦和の家にて新しい住まいの設計取材立会い。午後からは事務所にてプラスワンリビングのインタビュー取材。終了後、伊奈の家の1/15模型作成についての打ち合わせ。この家は木質パネルというこれまで試みたことのない後方を採用しようとしているのですが、この模型が出来上がるとどのような家になるのか全貌がつかめそうです。
2005/6/25
10時、Kさんご夫妻来社。これから家作りを始めるとのことで、まずは土地探しのアドバイスなど。ご主人は設計をしているそうなので、これもひとつのセルフビルドになりそうです。13時、東川口の家のOさんご夫妻来社。内装のイメージなどについて打ち合わせをおこないました。それから思いのほか打ち合わせが早く終わったので、山田とともに東川口の家の現場へ向かいました。防蟻材の塗布を二人で約1時間くらい行って、私は一足先に事務所に戻って16時、西青木の家の打ち合わせ。1/30の模型を見ながら住宅のイメージ固めがほぼ完成。これからいよいよ実施設計です。再び東川口の家の現場に向かい先ほど置いてきた山田を迎えに行くと作業はすでに終了している様子。事務所に戻るとすでにYさんご夫妻が来社していて再び土地探しなどに対するアドバイス。なんだか今日は一日中しゃべっていたようで、少々疲れてしまいました。
2005/6/24
先日石山さんの日記を読んでいるとアレクサンドロ・ソクーロフの「精神の声」という映画を磯崎さんに見せていただいたという記事が掲載されていました。どんな映画かと手に入れて早速ますいいでも上映会を開催しました。この映画は全5編からなるドキュメンタリー映画で全部で5時間以上もあります。第1話では動かないカメラがロシアの山と湖と広野を延々と撮し、モーツァルトのピアノ協奏曲やメシアンをBGMにモーツァルトの生と死を語るモノローグが続いて終わります。これは、その後に続く戦場日記に対する鎮魂の章です。戦場日記といっても、過激な先頭シーンが出てくるわけではなく、沈静化した戦場における退屈と危険、粗末な食事そしてごくたまにある死。そのようなどうにもならない兵士たちの運命というか日常を延々と描いているだけなのです。最後の第5話でソクーロフ自信がロシアに戻りこの映画は終わります。第1話でソクーロフは語っていました。モーツァルトは長旅の偏った食生活のせいでくる病になった。背は小さくて小太りだ。彼の目は空色で髪は金色。彼の音楽には調和があるけどメシアンの音楽にはそれがない。彼の死は世界にとって大きな損失。
アメリカがハイテク機器で遠隔地からミサイルを撃ち込むなどの戦闘をする一方で、小さな紛争遅滞で繰り返される50年前と変わらぬ原始的な戦闘シーン。荒涼とした大地。複雑な民族社会。そして戦闘。現代社会の不調和はあちらそこらで目に付き始めていてそれはソクーロフの描く戦場でなくてもこの平和な日本でも同じこと。15歳の少年が両親を殺害したかと思えば次の日にはまた別の15歳の少年が兄を殺害した。
モーツァルトは死んだ。彼の目は空色で髪は金色。
ある講演会で、学生から「建築家になるにはどうしたらよいですか」と質問をされていた磯崎さんは「何もない誰もいないところで、あなただけが造りたいものを造れるようになりなさい」と答えていました。
調和。
モーツァルトの音楽のような。芸術の持つ大きな使命を教えられたような気がします。
0時30分上映終了。
2005/6/22
午前中は東川口の家の雑務を行いました。13時、ひざの経過の検査で工業病院へ。レントゲン、筋力測定をした結果状態はかなりよいとのことです。もう軽い運動はしてもよいということなのでジョギングくらいははじめようと思います。3時ごろ帰社。西青木の家の模型作業の打ち合わせや、東川口の家の現場管理の打ち合わせなどを行い9時ごろ終了。
2005/6/21
一日中、蒲田の家のメンテナンス作業を行いました。
2005/6/20
今日は現在現場が進行中の東川口の家のキッチンなどを考えました。家の中全体を黒くしたいという意見を成立させるためにはこれまでのデザインを多少変更する必要があるようです。横では池上が西青木の家の模型作りに熱中しています。30分の1の大きな模型だけに時間がかかるようです。昼過ぎに草加の美容室の現場に山崎と一緒に様子を見に行きました。山本と田村とクライアントの黒木さんが一生懸命床のワックスを塗っているところでした。大工工事もほぼ終了し、いよいよ仕上げという段階です。来週末ごろには引越しをするということですが出来上がりが楽しみです。帰りがけに蕨の家の現場の様子を見に行きました。取り壊されるのを待っている家はなんとなくさびしげでしたが、こんなに小さな敷地に現在計画しているあんなに大きな家が建つと思うと今からとても楽しみです。
2005/6/18
今週は忙しくてあまり日記を書くことが出来ませんでした。週末の土曜日の今日はいつもより少し落ち着いています。10時ごろTさん夫妻が来社しました。Tさんはもうかれこれ数ヶ月もの間土地探しをしています。どのように土地を選定したらよいのか、これはとても難しい問題です。土地探しの作業に少々疲れ始めてしまったので、もう一度気分を入れ替えるために私の話を聞きに来てくれました。建築をつくりやすい土地、作りにくい土地と設計をしていると確かにその差は歴然としていて出来れば作りやすい土地を購入してくれれば言うことはないのですが、土地の値段の決定要素であるさまざまな要因の中でどれかを切り捨てられるとするならば、変形した地形や旗状敷地のような不良形状の土地を購入するのが都市型生活を送る人にとってのひとつの答えであるという気がしてなりません。どんなにきれいな長方形の南向きの土地を購入してもそこから駅までバスで通勤なんてことになってしまっては毎日その作業を繰り返すお父さんが浮かばれないような気がします。近くに公園があるとか、駅まで近いとか、学校が近くにあるとかそういう人の生活をささえるための重要な要件を満たしていることが一番大切なこと。それ以外の建築で何とか出来そうなことはそれほど気にしないという割り切りがたいせつなのではないでしょうか。以前造った三角の家の土地も三角ということで相場よりも安く購入できたと聞いております。直角三角形の16坪しかない土地は購入するのに勇気が必要です。でもこういう選択をすることでしか生まれない空間を手に入れることが出来たよい例だと考えています。
朝から会社見学に来ている筑波大学の女性はなかなかたくましく、山田と一緒にもく箱の模型を作成しています。課題のプレゼンテーションを少々見せてもらったのですがますいいのようなスタイルに向いていそうな考えかたをしているようでした。卒業するのが楽しみです。
2時ごろ、東川口の家の打ち合わせにOさん夫妻が来社しました。まだ決めかねているようでしたが先週の打ち合わせどおり黒い内装にしたいという意思は変わりない様子でした。サンプルを見ていただいて、結論はもう少し先に延ばすことにしました。
16時ごろ妻と二人で劇団四季の鑑賞に行きました。もうかれこれ8作品くらい見ているのですが浅利慶太の演出も最近はくどく感じるようになりそろそろ狂言でも見に行こうかなという心境です。
2005/6/13
今日はいよいよ東川口の家の上棟です。天気予報も雨だったのですがいつの間にか晴れに変わっていまして、ちょうどよい上棟日和になりました。私が現場に着いた9時ごろにはすでに2階の梁を掛けている状態で、鳶さんたちが手際よく小屋組みを建てる準備を始めておりました。池上と二人で足場に上り窓から見える風景のチェック。それぞれの窓の向こう側には緑が見えたり、空が見えたり、思わずほくそ笑んでしまいました。それにしてもこの空間が真っ黒に塗装されると思うとなんだか楽しみです。
2005/6/12
10時、成増の家にてプレシャスという雑誌の取材に立ち会いました。女性のライフスタイルに注目している雑誌ということでこの家のクライアントである田中さんにはぴったり。取材に来てくれた中島さんという方が以前書いた本をたまたま田中さんが読んでいたという偶然もあり、とても和気藹々とした雰囲気の中で取材が進められました。田中さんがお昼をご馳走してくれるということだったのですが私は他用のため退席。きっと私が帰った後も楽しいひと時があったことと思います。取材のときに顔写真を取らせてほしいといわれたのですがなんとなく照れくさかったので断ってしまいました。とは言うもののこれを使ってくださいと自信をもってお渡しできる写真などあるはずもありません。うーん、どうしよう。
2005/6/11
午前中10時から伊奈の家のクライアントと打ち合わせ。今回は木質パネル工法を採用することの説明を行いました。この工法は厚さ12センチの中身の詰った木製パネルを順番に立て込んでいって壁を構成するというもので、プレキャストコンクリート工法の木製版といったイメージなのですがその材料のりユース性や材料を製作するときに利用方法が問題となっている間伐材を利用できるなど環境への配慮に対する回答として大変注目できるものです。今回のプランでは4間×4間の外壁部分にこの工法を採用して内部の構造は在来工法で行うことを考えています。外壁の仕上げや内壁の仕上げはこの木製パネル打ち放しとなるわけで、自然の野趣あふれる暖かな家が出来上がると考えています。16時より東川口の家の打ち合わせ。すでに工事に取り掛かっているのですが、内部のシナ合板を黒く塗装してほしいとのアイデアを頂きました。コストやデザイン面の両方からの検討をしてみるつもりです。19時30分、高田馬場にて大学時代の友人が集まる同期会に出席。250人以上もいる大学だったので、全員の顔と名前が一致するわけもありませんが不思議と顔を見るとなんとなく昔の記憶を思い出すもので楽しいときをすごすことが出来ました。
2005/6/10
今日は久しぶりに宮代の家の村田さんにお会いしました。田舎で一人死ぬための家を建ててほしいといっていた村田さんも新しい家に引っ越したら新しい人生の伴侶を探し当てて以前の面影よりもずっと明るく変化していました。こういう変化というのも家がもたらす効果なのかもしれないななどと考えながら事務所に帰ってきました。夜は蕨の家のクライアントと打ち合わせ。こちらのプロジェクトのほうはこれから先どうなってくのかいまいち先が見えないのですが、まあ来週あたりには見通しが立つことでしょう。
2005/6/9
朝から山本と二人で西青木の家の概算見積もりや詳細部の設計作業を行いました。多少予算がオーバーするのではとどきどきしていましたがどうやら大丈夫そうです。とはいえまだすべてが決まったわけではないので安心できません。これからの設計しだいでは100万円や200万円くらいの金額がすぐに変わってしまいます。まだ業者からの返答がないのでなんともいえませんが大きな予算オーバーだけはない様に願いたいものです。夕方から伊奈の家のスケッチをまとめました。土曜日の打ち合わせに向けての作業を続けているのですが何とかそろいそうです。設計を悩んでいるときに突然目の前が開けたような気がするときがあるのですが今日の伊奈の家はまさにそんな感じでした。
2005/6/8
午前中は板橋の家の打ち合わせ。打ち合わせが終わった後に伊藤さんと一緒にますいいハウス02と草加の美容室兼住宅の現場見学に行きました。モダンと和風の両極端な現場でしたが楽しんでいただけたようでよかったと思います。私たちも始めて仕事を依頼する大工さんの技術力を判断するときにはやはり現場を見せてもらいます。伊藤さんが私たちの現場を見たいというのも当然の話です。工務店としてやっている以上現場の姿が自分たちの仕事をアピールできる一番の広告塔なのでしょう。夕方、伊奈の家で採用したいと考えている木質パネル工法の方より連絡を頂きました。ちょうど茨城の学園都市で上棟をしている最中だというので急遽見学に伺うことにしました。外環自動車道と常磐道を走ること約40分。現場に着くと厚さ12センチの見事な木質パネルが立て込まれている最中でした。設計者の藤原さんに詳しい説明を受けたのですが、聞けば聞くほど惚れ惚れするような工法でした。今週の土曜日の打ち合わせで渡辺さんに説明するのが楽しみです。7時30分に事務所に帰り、早速構造事務所に連絡してみましたがつながりません。RDRに連絡を入れてもつながりません。そういえば今日はワールドカップ出場を決める試合がある日でした。いまや国民的行事となってしまったサッカーがあるのでは仕方がありません。私たちも帰ることにしましょう。
2005/6/6
先週に引き続き伊奈の家の構造について考えました。いくつかの会社に考えをぶつけてみましたがどのような返答があるのやら。もう少し待ってみることにしましょう。
2005/6/4
友人の結婚式に出席するため朝から大阪に向かいました。4時から挙式が始まり披露宴、2次会と出席して12時ごろホテルにて就寝。
2005/6/3
昼過ぎからの予定が急遽キャンセルされて急にやることがなくなってしまいました。こんなときこそチャンスというわけで、なかなか進まなかった伊奈の家の構造の検討を一日中しておりました。考えれば考えるほど木製パネル工法へと進んでいくのですが果たして本当に出来るのかどうかはいまいち分かりません。この工法はもう少しよく考えて見ましょう。
2005/6/2
今日は夕方から西青木の家の佐藤さんとの打ち合わせ。奥様も一緒に参加したいということで今日は佐藤さんのご自宅にうかがいました。とはいえわが事務所からわずか徒歩10分といういわばご近所さんなのでどちらにしても大した違いはないのです。この手軽さ、完成した後もずっと変わらない手軽さこそが近所の工務店のよいところ。
2005/6/1
朝から一日中、川口駅前のRDRに行って7月から始まる蕨の家の見積もり作業をしておりました。さすがに40ページ近い見積もり書類を一気に作り上げるとただただ疲れるばかり。でも、実際の工事を始めるまでの契約までの道のりの中でとっても大切な作業。この作業もいまだに人に任せたことはありません。夕方7時ごろ、高山建築学校の岡啓輔さんが事務所に見えました。岡さんはいくつかの肩書きを持っている変わり者です。ダンサーであり、セルフビルダー、そして自宅となる建築の設計もしています。岡さんは数年前に購入した土地に自分の家を設計しています。大工さんや鳶さんそして土工さんや鉄筋屋さんの経験がある岡さんは自分でRC4階建ての住宅を作るつもりです。1年かけてRCの空間を作り、そのあと1年かけてすめるようにしていくそうです。建築に取り付かれたまさに自由人です。そんな岡さんが今日私に一緒に現場の進行状況を見守って管理してほしいといってきました。RCの経験があまりない私で役に立つのかどうか分かりませんが引き受けてみます。法律も常識も何者にもとらわれずに自由に正直に作り続けていく過程をじっくりと見ていきたいと思います。そしてそこで得られた経験はいつか私の建築にも大きな価値を与えてくれるでしょう。
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