東京大学博士後期課程の1次試験に合格した。昨年よりものつくり大学で、住宅を作ることに欠かせない左官等の技能者や木材や漆喰等のさまざまな素材についての研究を行ってきた。これまで25年間工務店機能を兼ね備える設計事務所としての経営を継続してきて、昨年度よりものつくり大学の修士課程に進学した。この1年間で所属する三原研究室の教授や仲間からとても多くのことを学ばせていただいたし、それがますいいの家づくりにもとても良い形で反映されてきていると思う。
同じ研究室の僕の一年後輩の田子君は、昨年、技能オリンピックの造園競技で国内・金メダル、世界大会・銀メダルを獲得した青年である。世界二位の後輩はものつくりに対する情熱が迸るようで、一緒にいると本当に刺激になる。今、蕨の古民家再生の現場で大工体験をしている金城くんは、来年からの就職が決まっているけれど、卒業制作に大工の経験をまとめたいということでこの夏をますいいの現場で過ごしている。先日は大学で学んだ本漆喰のセルフビルドを行った。本漆喰というのは、小石灰と麻スサ、そして焚き糊を混煉した漆喰で、自分で配合から挑戦するのは人生初めての試みである。お客様のご家族と一緒に、大人から子供まで100%の自然素材を混ぜて作った漆喰を、大好きなお婆さんのためにセルフビルドで施工した。いつも塗っている袋入りの既製品の漆喰となんとなく違う、とても綺麗な漆喰が塗り上がった。
中有小零細企業の社長など、井の中の蛙に陥りやすく、だからこそ少しでも外に出て学ぶことが大切であると思う。この学びを継続するための受験をへて合格の通知をいただいた。受け入れていただく予定の権藤先生には心より感謝したい。そしてこれからも真剣に良い家の追求をしていきたいと思う。